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短編集〜猫達の茶番劇〜

第1章 惚れ薬


____姉上はどこまで行ったんだろう……。

森の中を、ヨルはさまよい歩く。
さっきアヤカ達から「ホタルは外に行った。」と聞かされ、慌てて追いかけて来たのだ。
しかし、いくら探してもホタルは見つからない。

___……やっぱり、姉上に追いつくのは無理な事なのか……?

そう落胆し、仕方なく家に帰る。
しかし異変を感じた。
家の方向から、ざわめきが聞こえてくる。
しかもそれは近付くに連れて、どんどん大きくなる気がした。

___何か、あったのか……?

少し急ぎ気味で帰り、ドアを開けた。
すると、家の中は………まぁ、いつもの通り、ワイワイガヤガヤやっている。
しかし、雰囲気がいつもと少し違った。
皆が何故か焦っている。
そんな家の様子に疑念を抱きつつ、とりあえず挨拶をする。
「あの………帰りました。」
「ヨル!丁度良かった……!!リムとオレオを見ませんでしたか!?」
アヤ達が駆け寄ってくる。
「え……リムさんとオレオさんですか?見ませんでしたけど………。」
「そうですか……。」
ヨルの返事にため息をつくアヤ。
そんなアヤの様子に、ただならぬモノを感じ、ヨルは恐る恐る聞いてみる。
「リムさんとオレオさんに、何かあったんですか?」
マコが答えた。
「良くわかんないんだけど、フラ〜っと外に出てったまま帰って来ないの。」
マナも思い出したように続ける。
「そーいえば〜、ホタルが帰って来てからだよね〜、それ〜。」
その言葉にヨルは悪い予感を感じた。

__……まさか、姉上の作っていたもののせいか………!?

胸騒ぎを覚え、すぐさま家を飛び出す。
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