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短編集〜猫達の茶番劇〜

第1章 惚れ薬


突然のリムの行動にヨルが驚く。
「え?ちょ、何するんですか、リムさん!」
「え?あ、あぁ、すみません。つい……。」
ぱっと手を離すと同時に、エレベーターが着いた。
二人一緒に乗り込むときに、リムは笑いながらヨルに言う。
「頑張って下さいね、ヨルくん。」
リムの優しさに嬉しくなるヨル。
「はい!ありがとうございます!」
そう、明るく答えたのだった。

______少し遡る______

エレベーターが集いの間に着き、皆の視線がホタルに向く。
相変わらず真っ黒な服に身をつつんだホタルに、皆の顔は少しひきつる。
そんな空気を気にしないように、アヤは努めて明るくホタルに声をかけた。
「おはようございます、ホタル。朝食はいりますか?」
「……いらない。」
「おい、ホタル。ヨルとリムはどーしたんだ?」
アヤカの問いはガン無視し、机をグルっと一周してから、ホタルは外に出ていってしまった。
意味深なホタルの行動に、皆が唖然としていると、
「何なんだよ、ホタルのやつ!無視しやがって。」
アヤカのずれた発言に、全員がずっこけた。
「……そこなんだ〜……。」
不可思議なのは、アヤカを無視したことではないのだが………。
「え?なんだよ?」
「アヤカちゃんの視点がズレてるって事だよ……。」
「なんだよ、それ!!!」
言ってギャーギャーと騒ぎ立てるアヤカ。
もちろんその後、アヤとマコとマナに撃沈させられたのは言うまでもない。

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