第9章 夏休み
「喰らえぇッ!ロイヤルストレートフラァァァッシュ!!!」
「ぎゃあああ!なんでそんなの揃ってんのぉぉ!!」
おそ松くんたちがポーカーで熾烈な争いを繰り広げる中(いやもう勝負ついてるけど)、序盤のゲームであっさり脱落した私とイッチーは、部屋の隅でひっそりとポテチを食べていた。
「…おそ松くんって、やたらと連勝してるけど…こういうの強いんだね…」
「…まぁ…頭は悪いけど回転は早いっていうか…勝負事に関してのみ本領を発揮するっていうか…」
「あ、なるほど…」
パリパリ…ポリポリ…
「なーなー、もっかいポーカーやろうぜー?」
「嫌だよ!どうせ負けるし!これ以上惨めな気持ちにさせないで!」
「お兄ちゃん叩き潰し足りなーい♪」
「クソおぞましい台詞吐くなバカ長男」
「…なんだか腹が立ってきたな…おそ松兄さん、次は勝つ!」
「僕もリベンジするっスよー!」
ぎゃいぎゃい
パリパリ…ポリポリ…
「…楽しそう…だね…」
「……やらないの?」
「いえ、遠慮しておきます…弱いので…」
「…賢明だね」
パリパリ…ポリポリ…
(…あ。最後の一枚…)
ただひたすらポテチを食べ漁っていたら、早くも完食一歩手前まできてしまった。というかみんなポーカーに夢中で、まともにお菓子食べてるの私とイッチーだけなんだけども。
「……」
イッチーは取る気配がない。食べていいってことなのかな?
でもこれけっこう大きいし、どうせなら。