第7章 傷
「…はい、じゃあ次こっちの問題。それ解いてる間に次の考えるから」
「わ、分かりました!」
こうして、私とイッチーの勉強会が始まったのだけれど…
「で、できました、一松様!」
「………」
「あ、あの
「だからさぁ…」「ひぇっ!」
「さっき説明しただろ?あ?何がどうしてこうなるんだよバカなの死ぬの?基礎問10回解き直せ今すぐただちに!」
「もっ、申し訳ございません!!」
す、スパルタすぎるんですけどぉーッ!!?
言われた通りに基礎問を解き直す。勉強会を始めてからずっとこの繰り返しだ。
イッチーの教え方は上手だし、頭では理解したつもりなんだけど…問題が彼オリジナルのものだから、けっこう難しくて間違っちゃうんだよね。…いや違うか、単に私がバカすぎるだけか。
せっかく付き合ってもらってるんだから、無駄な時間にしないためにも頑張らないと!
「…終わった?じゃもっかいこれ解いて。言っておくけど、間違ってもいいのは一度だけだから。…二度目はないよ」
「は、はいぃ!」
うぅ、想像以上にスパルタ…でも、
普通に接してくれるどころか、勉強まで教えてくれるなんて。それだけで十分嬉しいし、感謝すべきだよね。
終わったら、今度こそ一緒に帰ろうって誘ってみようかな。あ、いやいや、その前にこないだの理由を聞いて、内容如何によっては謝らないと。
「…何してんの?早く、あと30秒」
「はへ?!す、すみません!」