第7章 傷
「…教えてあげようか?」
「へ?」
お、教え…え?そ、それって……え、
「えぇぇぇっ!!?」
「ちょ、だからうるさい…
「あああ、ごめんなさい!だってイッチー、急にどうしたの?は!もしかしてどこかに頭ぶつけた?だから私に優しいんじゃ!?」
「……なんかすっごいムカつくんだけど。そんなわけないだろ」
彼が睨んでくる。怖いけどそれよりも状況把握ができない…!
「数学だけ?他には」
「え、あ、イッチー、あの」
「うるさい。何度も注意させるなよ。…それとも、自力でやる?」
「!い、いえ、ぜひお願いします!…でもあの…イッチー、数学得意なの?」
「は?おそ松兄さんから聞いてないの。僕これでも入試トップ通過だったんだけど。ちなみに中間の数学は98点。凡ミスしたから‐2点だった」
「…は」
「他のも聞きたい?現代文96点世界史92点英語90点化学94点あとはー…」
途中から謎の呪文にしか聞こえなくなってしまい、私の頭はさらに混乱する。え、つまり…イッチーってこう見えて実はものすっごく秀才……!?
「一松様…」
「また様つけるの」
「と、とにかく一松様がとんでもない方だということは理解いたしました…どうか私めに数学と化学をご教授願えませんでしょうか…!」
「なんかさらっと1教科増えてるし」