第7章 傷
図書室の扉を開ける。みんな部活をしている時間のせいか、図書委員と数人の生徒しか中にいなかった。これなら集中して勉強できそう。
席はどうしよう、と見渡す。ほとんど空いてるけど、端の方にしようかな。
移動して、椅子に座る。カバンから問題集を取り出して、テーブルの上に広げた。
学校が支給している問題集で、もう何度も復習してるから使い込み半端ないんだけど…他に持ってないんだよね。今度本屋さんにでも行って買いに行かなきゃ。
「えーっと、まずは数学…」
指定された追試の範囲をざっと確認する。満点取るつもりで死に物狂いで頑張らなければ!
という熱意だけは人一倍あるつもりなんだけど、実際どこまでやれるだろう…問題集解くだけでいい点取れるなら苦労しないよね…。
友達はみんな部活やってるし、先生もなかなか捕まらないし。やっぱり自信ないよ。
…ううん、弱音を吐いちゃだめだよね。私はやればできる子、やればできる子…!
「よしっ」
決意も新たに、シャーペンを持つ手に力を込める。まずはこの問題集をやっつけないと!
「……勉強?」
「…え?」
前方から声をかけられて、私は顔を上げる。そこには、意外な人物が座っていた。