第6章 紹介
「ああ、むしろ悪かった。無礼な態度を取ってしまったな」
「僕たちも自己紹介するよー!」
…うわ、なんかこれ俺が悪者みたいな雰囲気じゃん。別にそんなつもりじゃなかったんだけど…はぁ。
「はじめまして、僕は末っ子のトド松だよ」
「俺は次男のカラ松だ」
「僕十四松!五男だよ!」
「…三男のチョロ松です」
一気に名乗ったからか、彼女は「うーん、うーん?」と唸りながら、一生懸命顔と名前を照らし合わせようとしている。いや、顔はみんな同じだよ?
「覚えられそうか?鈴」
「ちょ、ちょっと待ってね。えーっと、左から順に、カラ松くん、十四松くん、トド松くん、チョロ松くん…だっけ?」
彼女が1人ずつ指を差して確認すると、おそ松兄さんは「せーかい!」と笑顔で彼女の頭をわしゃわしゃと撫でる。相変わらずいちゃつくな。
しかし彼女はまだ何か納得していない様子。
「鈴、どーしたのー?」
「んー…みんな名前に松ってついてるから、ちょっぴりややこしいんだよね。だから、あだ名で呼んでもいい?」
「…あだ名?」
嫌な予感しかしない。
「カラ松くんはカーくん、十四松くんはジューシー…だとなんだかおいしそうだからジュッシー、トド松くんはトッティで、チョロ松くんはチョロりん!どうかな?」
「「「「………」」」」
どう…と言われても。
「あはははっ、いいんじゃねぇ?それ。あだ名の方が友達感増すしな!」
おそ松兄さんは心底愉快そうに爆笑している。ちょっとお前黙ってろ。
「僕はいいよ?トッティって響きがイメージぴったりだし」
「ジュッシージュッシー!」
「か、カーくん、か…き、君がそう呼びたいなら…」
いやいやいやいや、お前ら簡単に許可してんじゃねぇよ!余計に拒否しづらくなるだろ!
「チョロりんは?(笑)」
ニヤニヤしながらわざとあだ名呼びで聞いてくる長男。くっそ腹立つ…!
断りたいところだけど…
「…や、やっぱり、嫌かな?」
「う…」
残念そうな彼女を見ていると、良心が痛むというか…ああもう!
「い、いいよ、それで…」
「本当!?ありがとうみんな!」