第4章 募る想い
注文した品が運ばれてくるまで、私たちは自己紹介も兼ねて、お互いのことをたくさん話した。
家族構成、趣味、誕生日…定番のものは大体聞けたかな。
それにしても、彼が6つ子の長男なことに驚いた。というか、6つ子が実在したことからまず驚き。
つまり、おそ松くんと瓜二つな男の子が、あと5人もいるわけで。おおぅ、想像しただけでカオス…
そんなこんなで盛り上がっていると、パフェとレモンティーが運ばれてきた。
「おー、うまそうじゃん。いっただっきまーす!」
「い、いただきます」
レモンティーをストローでちゅうちゅう吸いながら、目の前でパフェを美味しそうに頬張るおそ松くんを眺める。
さっきは納得したけど、これって凄まじく生殺しではありませんか…!?
「あっまー!最近のパフェってクオリティ高いよな〜」
大粒の苺にふわふわのムース、滑らかで濃厚そうな生クリーム…!
いともたやすく行われる残酷な行為(※パフェ食べてるだけ)をまざまざと見せつけられ、私は甘いものロス症候群に陥ろうとしていた。
(食べたい…!でも我慢…!)
「……」
突然、おそ松くんが食べるのをぴたりと止める。
そしてスプーンにパフェを掬ったかと思うと、
「鈴も食べる?ほら、あーん」
ニカッと笑い、それを私の口元まで持ってきた。
Σ「!!!?」
な、ななななな!?
「(硬直)」
「あれ、いらねぇの?あー、もしかして間接キスとか気にしてる?今さらだろー」
そ、それは分かってます!そうじゃなくてですね…!
……でも、そっか。キスまでしちゃってるんだし、あーんくらい別にどうってこと
「鈴〜?早くしないと、俺全部食っちまうよ?」
「!!」
や、こ、これはこれでやっぱり恥ずかしい!というかおそ松くんのいたずらっぽい笑顔が可愛いやらかっこいいやらで直視できない!!