第4章 募る想い
でも、食べたい…!あーんってしてみたい…!か、彼女なんだし、自然に、自然に…っ
緊張で震えながらも、小さく口を開ける。そしてぱくっとパフェを頬張った。
「どう?うまい?」
「甘くてすっごくおいしい…!」
「そりゃよかった」
彼の笑顔に、ドキドキする。そんなにじっと見つめられたら、心臓が保たないよ…!
「もっと食べる?」
「え、いいの?た、食べたいっ」
「素直だなぁ、鈴は。可愛い」
「かっ!?」
「なぁ、鈴。俺の前では遠慮しなくていいんだよ?鈴のしたいこととか要望には、彼氏としてなるべく応えてやりたいからさ。次からは奢りなんて気にせずに、好きなの頼めよ。な?」
「!!!」
***
「かっこいい…!かっこいいよぉ、おそ松くん…!」
「…だめだこりゃ。あたしらのことなんて眼中にないし、頭ん中お花畑だわ」
「昨日、よっぽどいいことがあったんだろうねぇ。はぁ、羨ましい、私も彼氏欲しいなぁー」
ガラッ
「はい、皆さん席についてくださいねー。ホームルームを始めますよー」
「先生来ちゃった。こら鈴、いつまで惚けてんの。頭切り替えな!」
「へ…?」
「うちら席戻るねー」
目の前から2人がいなくなり視界が開け、担任の先生が教壇に立っているのを見て、ようやく私は覚醒する。
そっか、もう朝のホームルームの時間なんだ。怜衣の言う通り、切り替えないと…!
ぱちんと軽く自分の両頬を叩き、背筋を伸ばす。おそ松くんとのことばかりに気を取られていたけど、今日から本格的に授業が始まるんだ。ちゃんと高校生としての自覚を持たないとね!
高校生活、楽しみだなぁ!これからどんなことが起こるのか、わくわくする!