第4章 募る想い
時は遡って、1日前。
「鈴、何頼むー?」
「苺パフェ!」
「お、おう」
近くのファミレスに入った私たちは、二人がけの席に座り、向かい合わせにメニューを広げていた。
甘いものが大好きな私は迷わず苺パフェを指差す。
いや、待って…?そういえばおそ松くんの奢りだった!もっと安いのにしないと…!
「あ、じゃなくて!飲み物!このレモンティーでいいよ!」
「パフェいいの?」
「うぐ!…レモンティーでお願いします!」
邪念を振り払う。今は我慢、我慢…!
「…ん、分かった。店員呼ぶな」
「う、うん」
おそ松くんが呼びボタンを押す。間もなくして、店員さんが注文を取りに来た。
「ご注文をお伺いいたします」
「ああ、レモンティー1つと苺パフェ1つ」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
「!!?ちょ、ま、待ってくださ…!」
制止も虚しく去っていく店員さんの背中を見送って、私はぐりん!とおそ松くんに向き直る。
「な、なんでパフェ頼んだのっ?私レモンティーでいいって
「レモンティーも頼んだじゃん」
「そ、そうではなく…!」
「パフェは俺が食いたかったから頼んだのー。甘いもの好きなのは俺も一緒だし。なんか問題ある?」
「あ…な、なるほど」
そういうことか…納得。