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【おそ松さん】哀色ハルジオン

第16章 追想の愛





「…えーと…改めて、その…久しぶり、だな」


「うん…久しぶり、だね」


私は自分のベッド、おそ松くんは隣のベッドに、互いに向かい合わせに座る。


6年ぶりの再会…さっきは我を忘れて抱きついてしまったけれど、よく考えたらまずはこういう空気になるのが普通だ。


喧嘩別れ…とまではいかないけど、後味の悪い別れ方をしてしまってたし。


何から話せばいいか悩んでいると、彼がいきなり頭を下げた。


「鈴、とりあえず先に謝らせてくれ!ほんっとーに悪かった!!」


「えっ、えぇ!?ま、待っておそ松くん、そんなのいいから!」


「いやよくねぇだろ!勝手にフっておいて後からすっげー後悔して、ただでさえ傷付けまくったお前をこんな目に遭わせてさ…なんかもう俺、最低なクズすぎて謝っても謝りきれねぇよ…」


「じ、事故はおそ松くんのせいじゃないよ!お願いだから顔上げて。…私にも、謝らせてほしいの」


彼に倣い、私も頭を下げた。


「ごめんなさい。ろくな連絡もせずにいなくなって、日本に戻る時も何も言わずに黙って帰ってきて…それと、気付いていたのに逃げてしまって、ごめんなさい」


「…気付いていた?何に?」


「事故に遭った日…駅前の広場で、みんなが私を見てたこと、本当は気付いていたの。でも勇気が出せなくて無視してしまって…」


「……そう、だったのか」


「でも、でもね。おそ松くんが、倒れた私を抱き抱えて必死に呼び掛けてくれたこと…すごく、嬉しかった」


「!え…」


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