第15章 涙
【鈴side】
……あれから、一週間が過ぎた。
おそ松くんとは相変わらず音信不通で、街中で偶然会うこともない。
そして一松くんは、不登校になってしまった。
おそ松くんと話し合う、そう約束してくれた次の日から、彼は学校に来なくなった。
本人に連絡を取るのはなんだか怖くて、カーくんにメッセージで聞いてみたら、一松くんもおそ松くんとは別の部屋に籠りきりだと教えてくれた。
恐らく、二人は大喧嘩をしたらしい、とも。
………もしかしたら、と。
一松くんなら、突破口を開いてくれるかもしれない…そんな期待もうっすらとあった。
でも、おそ松くんの意志は固くて…もう私たちじゃどうにもならないんだ。
私は黙って、彼との別れを受け入れるしかない。
一松くんも…戻ってきてはくれないのだろう。
家に帰ると、電話に留守電が入っていた。
…確認すると、それは海外に出張中の両親からだった。
その内容は衝撃的なもので、
同時に私は、
安心…してしまったのかもしれない。
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