第15章 涙
家に着いたのは、もう真夜中だった。
リビングに入ると、力尽きたかのようにソファーに倒れ込む。
…彼の意思を尊重しないと。私は黙って受け入れなくては。
そう、しないといけないのに…
「おそ松…くん…」
枯れ果てていたはずの涙が溢れ出す。1人だとより心細く感じて、私は声をあげて泣いた。
自業自得だ。彼が私と縁を切りたいと願うのは当たり前のことなのに、私は最後まで我が儘を言って…
どれだけ時間をかけて考えた結論だろうが、それは所詮私だけの考えに過ぎない。彼に押し付ける資格もなければ、自分の思い通りに事が進むわけでもなかった。私は根本的な部分で大きな勘違いをしていたんだ…
終わりにする…それは、彼との繋がりが絶たれるということ。一からやり直そうなんて…私はどこまでも甘かったんだな…
罪から目を逸らさないためにも、別れるという選択肢は選びたくなかった。けれど彼自身が望むのなら、私は…
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