第15章 涙
キーンコーンカーンコーン…
「ふぁぁー!やっと終わったー!」
「怜衣〜、ラスト10分間寝てたでしょ〜?」
「えー、だって眠かったんだから仕方ないじゃん。そうだ、鈴!」
帰りのホームルームが終わり、カバンに筆記用具や教科書を詰め込んでいると、怜衣と遥香がやってきた。
「この後予定ある?うちら部活休みだからさ、今日こそ寄り道してかない?」
「あ…」
ここ最近、二人の誘いを断ってばかりだった。
おそ松くんと一松くんのこと…解決しなければならない問題がたくさんあって、とても遊ぶ気にはなれなくて。
本当は私もそろそろ息抜きに友達と遊びたい。…でも、まだ終わってないから…それまでは。
「…ごめんね。今日も無理そう」
「……そっか」
「ねぇ、鈴〜。なんか悩んでるなら、うちらいつでも力になるからね。辛い時は頼りなよ〜」
「遥香…」
「まぁ…そういうガラじゃないけど、あたしも。次誘う時までに元気にならなかったら、お節介焼くからそのつもりでね!」
「…怜衣…うん、ありがとう二人とも。大丈夫、私も頑張るから!」
二人の優しさが身に沁みる。
私はいろんな人に心配をかけてるんだ。いつまでも立ち止まったままではいられない。
今日…おそ松くんと話をする。
これは、前に進むための決断なんだ。