第13章 本音
【鈴side】
カーくんの指示通り赤塚公園にやってきた私は、きょろきょろと辺りを見回した。
初めて来たけど、案外広いな…もうイッチーはどこかにいるってことだよね。移動される前に早く見つけなきゃ。
歩きながら、彼に聞きたいことを頭の中で反芻する。
大丈夫、もう覚悟は決めたんだ。何があろうと挫けない。
イッチーとちゃんと向き合って、話をする。
こんな風にギクシャクしたままなのは嫌だから…全部はっきりさせよう。
「どこだろう、イッチー…」
それにしてもカーくん、どうやってイッチーを説得したんだろう。メッセージには経緯までは書かれてなかったからなぁ。次会う時にお礼しなくちゃ。
「…あっ」
いた!
数メートル先のベンチに座ってる。こっちにはまだ気付いてないみたい。
「…っ…」
久しぶり、だな…イッチーの姿見るの。文化祭以来だもんね。
きゅうっと胸が締め付けられる。そして一歩ずつゆっくりと、彼に近付いていく。
…もう、会えないと思ってた。
でも違った。
会えないんじゃなくて、会わなかっただけ。
だってほら、もう目の前に…
「…イッチー」
彼は目だけでこちらを見る。てっきり驚いて逃げられると思っていたのに、彼は冷静な眼差しを向けるだけ。
そして、彼の口から発せられた衝撃の一言。
「遅い」
「…へ?」
え?え?遅い?今イッチー遅いって言った?
そ、それってつまり…
「けっこう待ったんだけど。…まぁいいや、とりあえず横座れば」
「は……え?そ、その、あの、イッチー…私が来ること知ってたの…?」
「…むしろ知らなかったの?カラ松兄さんから何も聞いてないんだ」
え、
Σえぇぇぇぇーーー!?