第13章 本音
「なんで!?」
「いや、なんでって言われても…後でカラ松兄さんに聞きなよ」
う、嘘…じゃあ私たちがしたことって全くの無意味だったの…?
「…あ、一応言っておくけど、仮にあんたから直接連絡が来たら会うつもりはなかった。…だから兄さんに協力を仰いだのはまぁ正解だったんじゃない。人選ミスだっただけだよ」
じ、人選ミス…!!ますます何があったのか気になるのですが!
…でも、何はともあれこうして無事再会できたわけだし…結果オーライ、なのかな?
それにイッチーもなんだか普段通りっていうか…私、いろいろ深刻に考えすぎてた?ううん、そんなわけないよね。だって少なくとも私にとっては大問題で…
「座らないの?」
「!あっはい、座らせていただきます…!」
おずおずと彼の隣に腰かける。本当にこの距離感が久々すぎて緊張するな…
「……」
「……」
「…なんか喋らないの?」
「えっ!?あ、はい、そうですね…」
「……」
「……」
「……ねぇ」
ど、どうしよう、イッチーがものすごくイライラしてる…!
間接的にとはいえ呼び出したのは私だもん…私から話を切り出すべきなのは当然…
落ち着け私…まずは、そう。謝らないと。
「あ、あの!ごめんなさい!!」
「!……は?」
「ぶ、文化祭の…」
「ああ…あれ。謝るべきは僕の方だと思うんだけど」
「ううん、そんなことない。元はと言えば私が逃げたのが悪いんだし…」
「それを言うなら、あんたが逃げるような原因作ったの僕だよね」
「!ち、ちが
「違わないだろ。僕がキスなんかしたせいで、あんたは僕を避けるようになった。僕があんなことしなければ
「違う!!」
「っ…?!」
自分を責め続ける彼に耐えられなくなり、思わず叫ぶ。
「違うの…私が悪いの…!」
「……お前」
泣き出しそうになるのをぐっと堪え、私は彼を見つめる。彼の瞳には戸惑いの色が映っていた。
彼に話を聞く前に、伝えるべきことを伝えてしまおう。
…カーくんに背中を押してもらったんだ。
「イッチー…ううん、一松くん。聞いて」
勇気を、出さなきゃ。
「…私は…」