第13章 本音
「おそ松くん、さっきのメッセージは…」
「ああ、返事来たらチャイム押そうと思ってたんだけど、待ちきれなくてつい。まぁサプライズサプライズ☆」
「それ、結果は変わらないんじゃ…」
彼はソファーの上にダイブすると、ごろんと横になる。
「細かいことは気にすんなって。それよりさ、なんで学校休もうと思ったんだよ?」
ぎく。
冷や汗がだらだらと流れる。まさか彼が学校をサボってまで家に来るとは予想していなかったから、うまい言い訳が思い付かない。
へ、変に焦っちゃだめだ。何か…何か…
「う、占いで、今日学校休めばいいことがあるって!!」
「びっくりするほど嘘下手だね〜お前」
グサッ「あぅ!?」
つ、突き刺さった…鋭いツッコミが突き刺さりましたよ…!いや確かに無理がありすぎる嘘ついちゃったけど!
「ご、ごめんなさい…」
「……」
項垂れていると、突然彼が私の腕を引いた。
「きゃっ」
バランスを崩して、そのまま彼の上にダイブする。彼を押し倒しているような姿勢と距離の近さに、私の顔は真っ赤に染まった。
「お、おお、おそ松くん!な、なな、何を…っ」
「鈴ー。抱き締めていい?」
「はい…?」
「いーの?じゃ遠慮なく」
「ちょっ、今のは肯定ではなく…っ!?」
抵抗する間すら与えられず、背中に腕を回されていとも簡単に抱きすくめられる。
「ひゃあっ!」
「お、心臓すげーばくばく鳴ってる」
「〜〜っ!?」
ち、ちか、近い…!普通に抱き合うより密着してて…!
早く離してもらわないと、ばくばく鳴るどころか心臓爆発しちゃう!
でも一生懸命もがいてみても全く効果なし。というか身動き1つできないくらいがっちり拘束されていた。
…嫌じゃない、けど…は、恥ずかしいよ…
「…なー、鈴。これ以上は何もしねぇから、もうちょい緊張解いてくんね?俺すごい悪いことしてる気分になっちゃうからさ」
「あ…う、うん、ごめん…」
彼の声が少し悲しそうに聞こえたので、大人しく身を委ねることにした。
「落ち着いた?」
「うん…」
「じゃ、質問に答えてくれる?」
「え…こ、このままで?」
「そ、このまま」