第3章 告白
隣の彼を横目でちらっと見やる。
学ランの下に赤いパーカーを着ている。これって校則違反じゃないのかな?というか近くに学ランの高校ってあったっけ。
「ん?何見てんの?」
「あ!ご、ごめんなさい!」
「いや、別に謝んなくてもいいけどさ」
な、なんか緊張してしまう…成り行きとはいえ、男の子と二人で相合い傘なんて、人生初だもん…
そういえば、なんか普通に歩いてるけど、この人と私って学校違うよね?そもそも私の学校知ってるのかな?
「あ、あの」
「うん?なに?」
「私たち、高校違うと思うんですけど…」
「ああ、そのこと。平気平気、俺もこっちだから。君のとこも知ってるよ。制服で分かる」
「あ、そ、そうなんですか」
ふぅん、やっぱり近くにあるんだ。でも制服で分かるって、うちの高校、そんなに有名でもないと思うんだけどな。
「君、何年生?」
「1年生です。これから入学式で…」
「え、マジで!」
なぜか彼は驚いた。私は首を傾げる。
「やー、俺もなんだよね!入学式とかめんどいよなー」
「…え?あなたも1年生なんですか?」
「そうそう!」
呆然としてしまう。初日から早くも制服着崩しすぎだよね?!
部外者の私が口に出すことじゃないにしろ、絶対注意されそうだなぁ…。
でも、同い年なんだ。なんとなく年上だと思ってたから、だいぶ気が楽になったかも。
それに優しいよね。最初こそナンパだと勘違いしちゃったけど、どうやら本当に傘に入れてくれただけみたいだし。私が緊張しすぎないように話しかけてくれてるのだとしたら、もっと好感度高いなぁ。笑った顔も素敵で…
…って、何を考えてるの私!?
ぶんぶんと頭を横に振り、邪な感情を打ち消す。
だめだめ、いくらいい人だからって、全然知らない人には変わりないんだから!なに恋する乙女みたいになってるのよ!