第6章 ひと夏の思い出
「ちょっと岩ちゃん、いつまで繋いでるわけ?」
「お前の指示だろうが!! 悪かったな」
「あの……どういう事……?」
私だけ取り残されている状況を理解しようと、私の頭はフル稼働している。
「雪乃、具合は大丈夫?」
「え、あぁ……そう言えば、忘れてた」
「たく、いきなり遊園地に呼び出されたと思えば……」
「中々離れてくれないからさ、あの子たち。雪乃はバレたくなさそうだったし……こうするしかなかったんだよ~」
要約すると、徹は女の子達が側から離れなくて私に連絡出来なかったらしい。
中々離れてくれないので、岩泉君にメールでここに来るように指示したらしい。私の彼氏役として……。
「じゃぁ俺は帰るから」
「え? もったいないし、一緒に……」
「影山、お前の優しさはすっげぇありがたいけど……隣のボケの気持ちも組んでやれ」
「…………ぅん……」