第6章 ひと夏の思い出
「徹……何してるのかな~……」
30分経っても携帯がなる事は無かった。
「お~、居た居た」
「え? 岩泉君!??」
意外な人の突然の登場に驚く私。
「ボケ川に頼まれたんだよ。悪いが、ちょっと付き合え」
「ぇ? 徹に??」
私は訳の分からないまま岩泉君について行く。
「影山……」
「ん?」
「今だけ俺に併せろ」
「え???!?!?!?」
岩泉君はそう言って私の手を握った。
徹とは違ってゴツゴツとした感じ。
心なしか、顔が赤いような気がする……。
「岩泉く……」
「あれ? 岩泉君? と、影山さん!?」
「二人って……!?」
「そうなの!??」
「?????」
私達の前には先程の三人に囲まれる徹が居た。
「あ~、いや、これはその~」
「岩ちゃ~~ん!! 俺とのデートすっぽかして女の子とデートするなんて!! この、浮気者!!」
「あぁ!? うっせぇ! このボゲクソ川!!」
「あ、ちょっと……二人とも……」
視界の片隅に引きつった顔でフェードアウトしていく三人組の姿が映った。