第6章 ひと夏の思い出
大型ショッピングモールへ着いた私たちは、徹の案内でおしゃれだけどそこまで値の張らないお店へと足を運んだ。
「ここの服、俺もよく買うんだ♪ これもここのなんだ~♪」
そう言って私に貸してくれたネルシャツを指さす。
徹は私の手を引き店内へと進んで行く。
店内には数人のお客さん。
徹の事をチラチラと見ている女性客も居る。
私はなんだか申し訳なくなり少し距離を置こうとしてみたが、徹の手がそれをさせない。
「雪乃は俺の彼女なんだから、もっと胸張らなきゃ♪」
徹は満面の笑みでこっそりとそう言った。
相変わらず、背後に視線を感じるものの、徹は気にせず服選びを進めていった。