第5章 すれ違う思い
「こんな回りくどいやり方じゃなくて、てめぇで聞けばいいだろ?」
「だってぇ~、俺の事嫌いとか、面と向かって言われたら、俺、立ち直れないもん~」
「もん~、じゃねぇよ!」
「ふぎゃっ!!」
徹が上手く出れないのをいいことに、岩泉君は徹を思い切り踏みつけた。
「俺は帰るからな!!」
「うん、ありがと」
「お前が素直に礼を言うとか気持ちわりぃ」
「えぇ~、なにそれ!? 酷くない!??」
「影山も、なんか悩みがあったら言って来いよ。あんまり溜め込むな」
「ありがっ……うん……」
「……じゃぁな」
そう言って岩泉君は少し笑いながら保健室から出ていった。