第4章 はじめての気持ち
私たちはきつく抱き締めあい、そして涙が頬を伝った。
お互いなぜ、涙が出てきたのかはわからなかったはず。
少なくとも私は無意識に涙が出ていた。
「お邪魔しました♪」
「遠慮なくまた来てね♪」
「はい!次はちゃんと前もってご連絡します!」
「そしたらまた美味しいごはん作って待ってるわ♪」
「楽しみにします!」
玄関先でそんなやり取りをするお母さんと徹を見るのがなんだか不思議な感じだった。
一通り挨拶して私と徹は外へ出た。
空を見上げるとたくさんの星が光っている。
「きれい……」
「雪乃には敵わないよ♪」
「////」
そう言って、徹は私の頭を撫でた。
徹は本当に恥ずかしいコトをサラッと言ってしまうから、私はすぐに心臓が爆発しかける。
こういう事に少しずつ慣れていかないと、心臓がいくつあっても足りない……。
「今日はありがとね」
「こちらこそ、美味しいごはん食べれたし、雪乃のご両親にも挨拶出来たし……ありがとう」
門の外へ出た瞬間、私は徹に抱き締められた。
「俺、今凄く幸せ♪」
徹の腕に更に力がこもる。
「く、苦しいよ……」