第4章 はじめての気持ち
――コンコンッ――
「ねーちゃん? ……と、及川さん……。母さんがそろそろ遅いからって……」
扉の外から飛雄が申し訳なさそうに声を掛ける。
「徹……そろそろ……きゃっ!??」
「ねーちゃん!??」
――ガチャ――
「ちょっとぉ~、飛雄ちゃん! これからいいとこだったのに~」
「へっ!? ぇ、あ……」
「//////」
飛雄が扉を開けると、私の上に徹が覆いかぶさるようにして倒れている。
私はそのまま発火してしまうぐらいの恥ずかしさで何も言えない。
飛雄もまた、何が起きているのかわかっていない様子。
この場を楽しんでいるのは徹ただ一人。
徹はそのまま私の耳元へ顔を寄せる。
飛雄から見るとちょうどキスをしているようにも見える位置。
「ちょっと飛雄をからかうのに付き合って♪」
「……ぅん……」
徹が耳元でそう囁くから身体がビクッとなった。
徹の身体からなんだかいい匂いがする。
「もぉ~、飛雄ちゃん、そんなに俺たちが仲良くするとこ見たいの?」
「ぁ、ぃゃ……失礼しました!!」
――バタンッ――
飛雄の顔は見えなかったけど、きっと私のように真っ赤になってたんだろうな。