第4章 はじめての気持ち
「「「「「いただきます」」」」」
家の前が騒がしいので様子を見に来たお母さんは快く、徹を夕食の場に招待した。
自分で言いだしておきながら、なんだか複雑な気分の私とは裏腹に、飛雄は黙々と食べてるし、お母さんは娘の彼氏に興味津々だし……お父さんに至っては、泣く程ごはんが美味しいみたい。
まぁ、でも徹が私の家族に馴染んでくれて良かったかな♪
なんて思って少々口元が緩んでしまう。
それを見たお父さんは更に号泣…………。
徹、変な家族だって思ってないかな……?
そんなことを考えて徹の方を見たけど、徹は私の気も知らずに美味しそうに目の前のハンバーグに手を伸ばしていた。
一口食べる度に「美味しい」だとか「こんな美味いの初めて食った」とか大袈裟過ぎるリアクションでお母さんを喜ばせていた。
「おいしっ♪」
私も、いつもよりちょっとだけ楽しい食卓のおかげで、いつもの何倍もご飯が美味しく感じた。