第4章 はじめての気持ち
「あぁ……雪乃ともっと一緒に居たいな……」
「徹……」
「でも、雪乃に迷惑はかけられないしね……名残惜しいけど、もう帰らなきゃ……」
徹は、また小動物のような瞳をしている。
「ご……ご飯、食べてく……?」
「え?」
私の口は勝手に動いていた。
「多分、一人増えたくらいじゃ問題ないと思うし……」
「で、でも……」
二人の間に変な空気が流れる。
どうにか打開策は……と考えていると、背後から誰かの足音が近づいてくる。
「あれ、ねーちゃん今帰り?……って、お、及川さん!? なんで!???」
「と、飛雄!?」
「やっほー♪ 飛雄ちゃん♪」
飛雄は部活がない分、ロードワークをして有り余る体力を発散していたようだ。
私と徹が家の前に居ることに少々驚いている様子。
「実は俺ら付き合ってるんだ♪ 今日からお義兄さんと呼んでくれてもいいからね~♪」
「え? え??」
「ちょ、とぉ……及川くっ」
「徹でしょ?」
「////」
「????」