第4章 はじめての気持ち
私が一人で悶絶してると徹はまた一人で笑ってる。
「クスクス……」
「な、なんでしょうか……?」
「いやさ、雪乃って、本当表情豊かだなーって♪ …………可愛い♪」
--鼻血……出てないよね……?
私は思わず鼻をおさえた。
だって、徹が不意に「可愛い」とか言うから。
こんな少女漫画的な展開、自分の身に起こるなんて微塵も思っていなかった。
「また、死んじゃいそう……?」
「ぇっ……」
徹は私の頭を優しく撫でながらそう問いかける。
その時、少し強めに風が吹いた。
あぁ、あれは本当に現実に起きた事だったんだ。
私はそう、確信した。