第4章 はじめての気持ち
私達はとりあえず職員室へ提出課題を出し屋上へ向かった。
昼休みとは言え、夏の日差しが照り付ける屋上に人は疎らだった。
「おいかっ……徹……」
「なーに?」
満点スマイルで見つめて来る及川君改め徹は、私には勿体無いほどにカッコいい。
あの夢だと思っていた出来事が、本当に夢だと良かったのになんて考えてしまう。
「しつこいようだけど……本当に私騙されてないよね……?」
「いや、マジだから。なんならあの時のこと、再現しようか?雪乃が体育館のとこで倒れてて、保健室行って……」
「やーーー!!! も、もういいから!!! 信じるから!!!!」
思い出しただけでも顔から火が出るほど恥ずかしくなる。
夢だと思って話していた事が、実は夢では無かったんだから。
穴があったら入りたいとはこういう事だ…………。