第1章 始まりは突然に
「雪乃……?どうしたの……?」
彼がのぞき込むように私の顔を見る。
吐息が触れ合う距離……。
どうせ夢なら……、起きれば覚めてしまう夢ならば!!!
「及川君!!!!」
「は、はい!!?」
彼は私が急に大きな声を出したので少々驚いた様子。
いつの間にかソファから降りて私の前に胡坐をかく形で腰掛けていた。
「夢の中だから、なんんだか上手くいくような気がするから……」
「うん……」
彼は真剣にこちらを見ているであろう。
恥ずかしくて顔を見ることはできないが、そんな気がする。
私が見れるのは彼の胸元で精いっぱい----。