第3章 〜sidestory〜
「(やべっ……、これ、めっちゃ嬉しい////)ねぇ、雪乃……、俺の事好き?」
雪乃が俺の腕の中で小さくうなづく。
「ホントに?」
また、うなづく。
「じゃあ、俺からのお願い……」
少しだけ、抱きしめる腕を緩める。
雪乃が不安そうな顔で見上げてくる。
その顔があまりにも可愛かったから、顔に熱が集まった。
「俺の事、名前で呼んで……」
雪乃は一瞬で百面相みたいに表情が変わった。
「と…………おる…………」
雪乃は真っ赤になりながら俺を呼んだ。
つい、口元が緩んでしまう。
「もっかい……呼んで?」
「////と、おる……////」
「もっかい!!」
「徹!!!!!」
まるでバカップルみたいだなと思いつつも何度も呼ばせてしまう自分は、本当に彼女の事が好きで好きでたまらないようだ。
俺は嬉しさのあまり、雪乃を力いっぱい抱きしめた。