第3章 〜sidestory〜
「及川君……夢の中だと本当に大胆だね……っていつもか;」
彼女はどこまでも夢だと信じているようだ。
俺は彼女に”好き”というこの気持ちを伝えようと、夢ではないと伝えようと意を決し、彼女を見つめた――
「雪乃……? どうしたの……?」
俺は、また彼女の具合が悪いのかと思い、彼女の顔を覗き込む。
それは、吐息が触れ合う距離……。
「及川君!!!!」
「は、はい!!?」
彼女は、俺に向き直った。
「夢の中だから、なんだか上手くいくような気がするから……」
「うん……」
彼女は再び俯いた。
でも、俯きながらも、そのまっすぐな気持ちは伝わってくる。
俺はまっすぐに彼女を見つめた。
「私、いつの間にか及川君の事……好きになってたみたい」
「うん……」
予想外の告白に、俺は平静を装うのに必死だった。