第3章 〜sidestory〜
彼女の家に着き、ベットへ寝かせた。
「着替え……どうしよう……」
俺の中のいやらしい気持ちが増幅していくが、さすがに寝込みを襲うなんて邪道なことをするほど落ちぶれてはいない。
「影山さーん……着替えないと……汗でベタベタでしょ……?」
「ん、んぅ……」
彼女は小さな唸り声をあげ、寝返りをうったが起きる気配はない。
「どうしよ……」
彼女の着替えがどこにあるかはなんとなくわかるが、さすがに着替えさす度胸までは無かった。
恋をするというのはこういう事なのか……と思った。
「影山さ……」
再び声を掛けたとき、急に彼女は起き上がった。
よく見ると目はつぶっているようなので、寝ぼけているようだ。
しばらく様子を見ていると、彼女はおもむろに服を脱ぎだした。
「え、あ、ちょ!? 影山さん!??」
彼女は俺にはお構いなしにどんどん脱いでいく。
ワイシャツに手がかかった所で、俺はドアの方を向く。
背後で動く彼女を意識しないようにドアに穴が開くほどじっと見つめてみる。
それでも彼女が引き出しを開けたり服を着替えていることが背後から聞こえてくる音や気配でわかってしまう。