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【HQ】夢から始まる恋

第3章 〜sidestory〜




 結局、部活が終わっても彼女が現れることはなかった。

 部活が終わったとたん、たくさんの女の子たちがなだれ込んでくる。


「及川君! このタオル使ってください!」
「及川君! おにぎり作ったの食べて!」
「及川君!」
「及川君!」
「及川君!!!」



 俺は彼女たちをテキトーにあしらい、飛雄の元へと向かう。


「飛雄くーん」
「は、はい!? ちわすっ!!」


 飛雄はボール拾いの手を止めこちらを向く。

「今日は弁当無いの? いつも届けてもらってるけど……」
「!? な、なんで知ってんスカ!??」
「お前毎日部活終わった後受け取ってんの弁当じゃねえの?」
「そ、そッスけど……今朝はねーちゃん具合悪そうだったから今日はないと思いますけど……」
「ふーん……」


 俺は気付くと更衣室に居た。
 無意識に歩いてきたらしい。


「どうした及川? 今日はやけに静かだな?」


 岩ちゃんが隣で問いかけてくるのも上の空で、俺はさっさと外へ出る。



「はぁ…………」



 俺の人生の中で、今日以上にため息をつく日はないだろう。
 そんなことを考えつつ教室棟へ向かっていると、不自然なところから足が生えていた。


「??????」


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