第1章 始まりは突然に
気付くと私は自分のベットの上に居た。
先程まで学校にいたはずなのに、よく見るとしっかりパジャマに着替えてある。
ぼーっとする頭でいくら考えても、どこからどこまでが夢なのか現実なのか判断することはできなかった。
私は喉が渇いたので気怠い体に鞭打って、キッチンまで下りた。
扉を開け冷蔵庫に向かう途中、意外な者を発見してしまった……どうやらこれは夢のようだ。
「なんで……?」
私の視線の先には無防備に手足を投げ出しつつも整った寝顔でソファに横たわる及川徹が居た。
私は吸い寄せられるように彼の元へと向かった。
三人掛けのソファでも少しはみ出てしまう大きな彼、無防備に眠る彼の髪に触れてみた。
「夢……なんだよね……」
誰に言うわけでも無く、私はそうつぶやく。
私は床にしゃがみ込み彼の髪や顔、腕に触れてみた。
寝ている彼を起こさないようにそっと……。