第2章 近くて遠い距離
彼は背中をさすりながらも「ダイジョブ、ダイジョブ♪」と言っていた。
どうやらたいしたことは無かったようだ。
「影山さんこそ大丈夫?」
「わ、私は……石頭だから大丈夫……;」
本当は少し頭頂部が痛むが、そんなことは言ってられない。
目にうっすら涙をにじませながらも平静を装ってみたが、彼には通用しなかったようだ。
「ほんとは痛いんでしょ?」
「ほ、ほんとに大丈夫だって! …………ちょっとだけだから」
じっと睨む彼に気圧されて、私は妥協した。
「//////」
彼は何も言わず私の頭を撫でてくれた。
私は全身が沸騰したかのように熱くなった。
きっと真っ赤になっていることだろう。