第2章 近くて遠い距離
「飛雄まだわかってないの? 今日は普通に学校でしょ!」
「え……あ……? 試合は?」
「私があんたに言った嘘なの! ……もー!!いつまでも寝ぼけたこと言って及川君を困らせちゃダメでしょ!!」
ようやく現状を理解した飛雄は自分を掴んでる彼に
「さーせんしたっ!!!!!!!」
と、体育会系な謝罪を述べた。
「普段の俺だったら完全に外周100周させるところだったけど……」
飛雄の顔から血の気がひいた。
「今日の俺は機嫌がいいから許してあげる♪」
彼は本当に機嫌がいいらしく、鼻歌まで歌っている。
飛雄は「失礼しまっす!!」とお辞儀をして早々と生徒の波に消えていった。
そのおかげ(?)で私は彼と二人で歩くこととなった。