第2章 近くて遠い距離
「影山さん! おっはよ~♪」
「////////」
心臓が飛び出るかと思い、思わず口元を抑えた。
ゆっくりと振り返ると、そこには飛雄の制服を引っ張りながらこちらへ向かってくる及川徹がいた。
「お、おはよ…………」
「こいつ、まだ寝ぼけてるみたいなんだよねー? 試合に遅れるーー!! とか言って、市民体育館の方に猛ダッシュしてたから捕まえてきた♪」
彼になぜ捕まえられたのか未だにわからないと言った様子の飛雄。
私はとても申し訳ないと言った気持ちになってしまい
「ごめんなさい!」
と、2人に頭を下げた。
2人とも頭の上に「???」が浮いているようだ。
「飛雄が寝ぼけて、あまりに歩くのが遅かったから……、部活のこと言えば起きるかなー? なんて、私の考え以上に飛雄の頭はバレー一色だったみたいで……;」
「なるほどねー。こいつ、バレーやってるときはホント人が変わったように凄いのにね……」
「そうなんだよね……」
「???????????」
彼と普通に話せている自分に少々驚いた。