第1章 始まりは突然に
その後、何度か寝たり起きたりを繰り返していると帰宅した飛雄が様子を見にやってきた。
「ねーちゃん入るよ?」
飛雄はベットの脇に腰掛けた。
「あんまし近づくと風邪うつっちゃうよ……」
飛雄は気持ち私から離れた。
「大丈夫……?」
「うん……薬飲んだら少し楽になったよ……」
「そか……」
飛雄は何故か落ち込んだ顔をしていた。
「どしたーー? おねーちゃんが死んじゃうとか思ってんのか?」
安心させようとチョップを仕掛けたがすんでのところで止められた。
「なんで無理すんだよ……具合悪いのにわざわざ飯なんか届けるからぶっ倒れるんだろ!!」
「え……?」
「ん……?」
私がおにぎりを届ける途中で倒れたのはどうやら現実のようだ。
でも……そこからどうやって帰ってきたの……?
「私……本当におにぎり届けた……?」
「届けたって言うか、届ける前にぶっ倒れて……そんで及川さんが……」
「!!!??//////」
私は「及川」という単語に過剰に反応してしまった。
慌てて飛び起きる私を見て小動物のようにびくっと驚く飛雄。
「お……及川……君が……?」
「??? 及川さんがねーちゃんの事抱えて保健室行った……はず」
「そ、そっか……」
保健室まででも彼が私を運んでくれた。
こんなことならもっとダイエット頑張るんだった……;;