第1章 始まりは突然に
目がさめるとやはりベットの上だった。
先程見た夢を思い出す。
とてもリアルで、思い出すだけで胸が熱くなる。
「私……及川君のこと……」
『徹って呼んで……?』
「//////」
夢で見た彼の姿を瞳の裏に焼き付ける。
「徹…………」
いつも遠くから見ていた彼を、夢の中だけでもあんなに近く感じてお互い同じ気持ちだった。
「夢……か……」
改めて現実と向き合うと、つくづく悲しくなってくる。
夢にまで見てしまうとは、自分がどれほど彼の事を好いているのか……考えただけで恥ずかしい。
枕元に置いた携帯で時刻を確認する。
「もうすぐお昼か……」
熱のせいで空腹は感じない。
少し喉の渇きを感じたのでキッチンへ向かう。
夢のせいもあって期待してしまう。
居るはずのない彼の事を……。