第7章 季節の変わり目
「鈴木君は塾があるから今日は残れないんだって……」
「相沢は彼氏とデートだから~とか、もう少しごまかせってんだよ」
「あははぁ……」
結局、私と岩泉君の二人で企画書をまとめることとなった。
先ほどのホームルームである程度鈴木君が下書きをしてくれていたので、後は既定の用紙に清書するだけだった。
岩泉君は「俺が書くより影山が書いた方がきれいだろ」とか言って、結局私が書くことになった。
「なんか、悪かったな……」
「ん? 何が?」
下書きを見つつ、岩泉君の話に耳を傾ける。
「ほら、昨日……俺と影山が……付き合ってるとか……」
――ぽきっ――
岩泉君が急に変な事を言うから、シャープペンの芯が折れて文字が変にのびてしまった。
筆箱から消しゴムを取り出し失敗した文字を消し再度書き直す。
「訂正、しなきゃいけないんだけどさ……」
「…………」
あと少しで終わる、私は最後の文章を企画書に記載しながら……また、芯を折ってしまった。