第7章 季節の変わり目
「雪乃は俺と付き合ってるんだから……岩ちゃんじゃなくて。俺と……」
力なく呟く徹、私は徹の背中に手を回し優しく擦ってあげることしか出来なかった。
「ゴメン……ごめんね……」
私は徹を傷つけている自分が嫌になって謝った。
「はぁ!? なんでここで雪乃が謝るわけ!???」
「ぅへ? だ、だって……徹がしょぼんてなってるし、傷つけちゃった、とかで……」
徹は訳が分からないといった風に私の顔を覗き込んだかと思うと、不意打ちのキス。
私の体温は一気に上昇した。
「雪乃は気にしなくていいの。俺が勝手に岩ちゃんに……嫉妬してるだけなんだから……」
徹の口から出た言葉に耳を疑った。
「徹が、嫉妬……?」
「俺、なんか変な事言った?」
「え……いや、だって……えぇ!?」
今度は私がプチパニック。
まさか徹が嫉妬するなんて思ってなかった。
徹の周りにはいつも女の子がいたし、部活をやっていた頃はいつも女子が体育館に集まっていた。
そんな徹が、まさか嫉妬だなんて……。
「徹も人間なんだね……」
「え、ちょっと、それ酷くない!?」
「ごめん……ww」
ちょうど予鈴が鳴ったので、教室へ戻ろうと扉に手を掛けたところで再び徹に不意打ちのキスをされた。