第7章 季節の変わり目
昼休み、涼しくなってきたとは言えまだまだ日差しの強い屋上に私は居た。
と、言うか連れてこられた。
「で? これはどういう事なのか、説明してくれるよね?」
限りなく黒に近い笑顔で問う徹についつい身構えてしまう私。
徹の手には携帯が握られ、1限目に送ったメールが表示されている。
「ほら、えっと……夏休み、遊園地でデートした……でしょ……?」
私の声は正しい事を言っているはずなのに、尻すぼみになっていく。
笑顔の張り付いた徹の顔を直視できない。
「その時、岩泉君が助けてくれて……それが広まったみたいです……」
恐る恐る徹を見上げると、はぁとため息をついて頭をワシャっとされた。
「あれは俺も悪いけど……、なんて言うか……う~ん……」
「徹……?」
徹は腕を組み一人でブツブツと言ったかと思うと頭を掻きむしったりと情緒不安定な様子。
「とおっっ、ふびゅっ」
もう一度徹を呼ぼうとしたところ、急に抱きしめられた。