第5章 〈異能〉
「…それでね、中也さん。
私の異能が判ったの」
中也さんがこの喫茶店に来て、彼此三十分は経っただろうか。
珈琲を頼んだ中也さんに取り敢えず話し掛けまくった結果が此れだ。
三十分経って漸く___本題に入る事が出来た。
「そうか。
其れは良かったな」
「反応薄く無いですか?
結構便利な能力みたいなんですよ」
「“みたい”って事は、まだ使って無いのか」
「流石中也さん!
“暁”の私は使った事が無いんです。
なので…中也さんに実験台になって貰おうかと。
あと、其の異能は太宰さんに解除して貰うので安心して下さい」
ニッコリと笑顔で中也さんを見つめる。