第5章 〈異能〉
歩いてきた先は定食屋さんだろうか、恰幅のいいおじさんが厨房に立っている。
其処のカウンター席に座っているのが織田さん…なのか?
「やぁ織田作。
又その咖喱を食べているのか」
「…ああ、そうだ。
なんだ?俺に何か用があるんだろう?」
くるりと振り向き、鳶色の瞳を此方に向ける織田さん。
するとその瞳は驚いた様に見開かれた。
「貴女は…いや、なんでもない。
…太宰、用件は?」
「一寸だけ#NAME1#の能力の実験台になってくれないかい?
どんな感じか試したら、私の異能で解除するからさ」
「其れは五大幹部としての命令か?」
「場合によってはそうなるかもね」
…話が大きくなってきた気がするのは私だけ?