第4章 〈新生活〉
太宰さんの腕を勢い任せに引っ張るがビクともしない。
それどころか、太宰さんは人差し指を顔の前でチッチッチッと振る始末。
私なんかしましたっけ?
「私の能力が使えるんですよ?!
試せるんですよ?!
早く行きましょうよ太宰さん!」
「暁ちゃん。
私さっき部屋に行った時云った筈だよね?
暁ちゃんの能力を使うには針が要るって」
「…そうでした」
何たる失態。
少し前に云われたばかりだったのに忘れてた。
「じゃあ、針買いに行かないといけませんね」
「いや、大丈夫。
こんな事もあろうかと思って買って来たから」