第4章 〈新生活〉
「呼びましたよ…じゃなくて!
何で本当に目の前に居るんですか!」
「君がそう云ったんじゃないか。
___で、要件は…私の異能ってところかな?
大方、さっきの時間にでも私が云った言葉の意味に気が付いたのだろう?」
「ご名答です、太宰さん」
本当にこの人は何でも判ってしまうのか。
こんな化け物みたいな人が敵にいる組織が可哀想に思えてくる。
「太宰さんの異能は、異能の効果を打ち消す異能ですよね?
そうじゃないと貴方が云った言葉と能力の辻褄が合わない」
「大正解。
私の異能は、【人間失格】。
あらゆる他の能力を、触れただけで無効化する。
暁ちゃんの異能だって、触れれば解除できるよ」
よし、私の仮説は間違っていなかった。
偶には頭も使ってみるものだ。
「じゃあ行きましょうか、太宰さん!」