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雨の日の茶会。

第2章 飴玉と名波さん。


「ありがとう!ミケ。」

私は彼女の元へと急いだ。今日は急ぎっぱなしだ。

「ね。支配人さん。私の悩み、聞いてくれる?」
彼女らしくない、ような悲しそうな笑い方をした。
「当たり前ですよ。」

彼女は一息入れて言った。
「私の名前、名波っていうだけどね。」

私は頷いた。
「あぁ、なんてゆうか。不登校なんだよね。私。」





不登校。


何度も頭のなかでこだまするかのように聞こえる。


「どうして。ですか。」
私は名波さんをじっと見つめた。

名波さんは二つ目の飴玉を口にほうり込みながら言った。
「何かしんないけど、いじめ、られてた。」
平気を装って言っているのが分かった。

……少し沈黙が流れた。

「何で?ですか…」

「…………………わかるわけないじゃない…」


とても小さな声だった。
「お待たせ致しました。幸せ味の飴玉でございます」
静寂を破るように、人の姿をしたミケが幸せ味の飴玉を運んできた。

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