• テキストサイズ

雨の日の茶会。

第2章 飴玉と名波さん。


私は幸せ味の飴玉を無理矢理名波さんの口に入れた。

名波さんは驚いていたが、幸せ味の飴玉をじっくり舐めていた。

すると、名波さんの表情はだんだん泣きだしそうな顔になっていた。ついにはわんわんと泣き出してしまった。私は、黙って名波さんの頭を撫でていた。

名波さんは泣きながら言った。

「ずっと……ずっと、泣くのを堪えてた。
あいつらに泣く面見せたくないから……でも。家にいても泣くのを自然と堪えてた。

泣けなかった。悔しかったし、弱くないって……私、強い奴だった。ずっと……。

う、うっ…何もできなくて……………わかんないから…。なけなくて…、ずっとずっと笑っていた。うそついて笑ってた…」


哀しかったろうな。

虚しかっただろうな。

悔しかっただろうな。



名波さんは顔を上げて、言った。
「今、泣ける事が幸せ。


あと、

話聞いてくれる人がいて、私見つけてくれる人に会えて幸せ。」



/ 5ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp