第2章 飴玉と名波さん。
散々泣き腫らして、気がつくと公園のベンチに座っていた。雨は晴れていた。
あれ、夢だったのかな。
でも、すぐに夢じゃないって思えた。
私の太ももの上に可愛いハンカチと、あと、丁寧に袋に入れてある飴玉。
あと、メッセージカードがおいてあった。
『名波さんへ。
幸せ味の飴玉、いかがでしたか?
また苦しくなった時はこの飴玉を舐めてください。
幸せになれるおまじないをかけておきました。
これから貴方が学校に復帰できるように、応援しています。
またいつでもティーハウスにご来店ください。
支配人:雨澤あかり』
丁寧な字で書いてあった。
私は立ち上がり、空に手を翳し、ニコッと笑ってみた。
嘘の笑顔じゃない。
幸せ味の笑顔。