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連れ立って歩く 其の三 鮫と虚貝編 ー干柿鬼鮫ー

第7章 飛段、孤軍奮闘


「飛段殿もデイダラ殿のように遁走する気ぞな?やれ、切なや」

「ありゃオメエがスゲエ顔して追っかけ回しやがるから悪ィんだろ?デイダラはアレで一応芸術家ってヤツだからよ。見るに耐えねェモンにゃ我慢が効かねえんだよ。アンタ、黙ってたってスゲエのに、泣くと更に化けモン裸足になっからな」

「だって二人が逃げよるからァ・・・」

「俺ァ逃げねェよ。帰るだけだ。んじゃ。全然そんな事ないけど世話になったな。俺はデイのバカと違って大人だからよ。社交辞令を残してサル」

「猿?」

「サル!」

「・・・・猿?」

「チゲーって!サル!ホラ、度忘れした。あれ、さる、サル、さる、んあー、あッ、去る!去るだ、去る。ハハハハ・・・あれ?いんだよな、去るで?」

「いくないのよ、去らない」

「去る!」

「去らない!」

「皿無い?」

「皿くらいあるわいな!草の皿は美しいぞや?ピカピカのキラキラだわいな、もし」

「へえ」

「・・・・興味ない?」

「ぜーんぜん。俺ァ行くよ」

「待て待て待て、待っちくれ!」

「マッチくれ?俺ァ煙草はやんねぇんだよ」

「ややや、そうは言ったけど言ってあらんよ。飛段殿、言葉遊びが好きかいな?」

「アンタと遊んでるヒマなんかねェの。行くぞ、もう」

「わかった!わかったわいな!わち、牡蠣殻某が居るかどうかはわからんが、探そうかと思うわ。ちゃんと探してみるぞな、もし」

「・・・・お返しゃねえぞ?」

「飛段殿も一緒に探さんかえ?わち、牡蠣殻某なんぞは知らぬし、女に興味もないんえ。飛段殿が一緒に探してくれん事にはラチがあかんと思うんだがの、どうかいな?」
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